突然の雷。そして豪雨。傘を持っていなかったから花屋の軒下で雨宿り。自転車にまたがったまま、道路を眺める。まぁ、たまにはこういう時間もいいと思う。急いでるわけじゃなし、お腹もペコペコじゃない。やまない雨は無いんだから、えんえんと待ってみるのも、きっと、いい。
 フト、急に右側から声がしたから振り向くと、知らない人が傘を差し出してくれた。「家まであと5分くらいなんで、どうぞ」と言って。こんなに自然にこんなに優しく動ける人っているんだなぁ、て嬉しく思った。
 傘は、借りなかった。雨宿り、続けたかったから。