扉・16


「そういう人たちは、いつかそういう人たちだけで
 固まるもんだから。
 今はこうやって絡んでてもいつかは付き合いがなくなって
 合う人ばかりが自分の周りに集まってくる時がくる。」


と、母が言っていた。
多分、それは「類は友を呼ぶ」ていうやつだと思う。
類が友を呼んで、自分のまわりが徐々に満たされていくというやつ。



今、あたしの周りには合う人ばかりで成り立ってるように思う。
出会って、用をこなして、
合わない人は去っていき、合う人はつながり、残っていく。




今日あたしが足を踏み入れた部屋。
小さくて、真っ白で。
窓から見える景色は魔女の宅急便のキキが
一時期住んでた部屋から見えてた風景に似てた。
ジジがやって来そうだった。白い猫も。
1人だったら、きっと今この部屋には立ってない、て思った、
絶対に。
類は友を呼んで
あたしは仲間を見つけた。
誰に感謝したら、いいんだろう。
人生って、生きてるってこういうもんなんだろうか。
みんな、自分の周りはこんな風に満たされてる??
あたしだけじゃない??あたしだけ満たされてるんじゃない??



そんな風に、思ってしまう。
窓から外を覗き込んで
「ミーハーやねん」と言ってそわそわしてる彼女の後姿を
カメラにおさめたいと思ったけど
何となく躊躇して、
あたしは目に、おさめた。