あるものの側面だけを見た時に
その裏側にも目を向けなければならないと、
去年の夏に感じた。
そう思ってる時に父に全く同じことを言われた。


照りつける太陽は容赦なく
その日お気に入りの日傘を持ってなかったあたしは
日陰を探しながら歩き、身体中から流れる汗をハンカチで拭った。
流石に背中を流れる汗までは拭ききれず、嫌気がした。


うん、分かってる、今、そう思ってた。

そっけない返事になったのは暑さのせいにした。
言われなくても、今、そう思ってた、分かってる。
少し、イラっとした。