youmor2007-10-13

 真夜中。11時半。あと30分もすれば日付が変わる。真夜中。自転車を走らせる。記憶を頼りにビュンと走る。お寺から聞こえる、音。薄暗い光。吸い込まれる様に、中に入る。
 あたしは、きっといい環境に居る。例えば10年前想像してた「大人の自分」はこんなじゃなかったと思う。あの頃思い描いてた大人になれなくて、ごめんねと少しは思うけど、今、あたしはすごくいい大人になったよ。自分の環境を嬉しく思える。
 お寺からきっと流れてくることなんてなかったコンピュータの音。本堂に設置されたスクリーン。機械から発せられる映像。何でこんなにもお寺とマッチするんかな。紙コップ片手にお酒を飲む、薄暗い中の大人たち。動く筆。
 決して多くはない、自分に恵まれた出会い。あたたかく、ありがたく思う。相方とライブペインティングを終えた彼女に声をかけると嬉しそうに笑った。きっと出会いたかった人。
 あー、自分がまだまだ至らない。真夜中。また自転車をこぐ。あたしは、きっといい環境に居る。