youmor2005-12-17

今日の先生はブックデザインなどを手掛けている祖父江慎さん。
祖父江さんと言えばシフォンケーキだ。
本の装丁がどうのこうのの前にあたしは
「シフォンケーキの祖父江さんだぞ」と思いながら今日を待ちわびた。
なぜあたしが「祖父江さん」でシフォンケーキを思い浮かべるのかと言うと
原因はさくらももこのエッセイにある。
彼女のエッセイの中に「祖父江さんがくれたシフォンケーキ」というエッセイがあり
とにかくその「祖父江さんがくれたシフォンケーキ」がおいしそうでおいしそうで
あたしは取り寄せしようと思ったくらいだ。
エッセイを読む度に口じゅうにしっとりとした口当たりのいい甘さの
シフォンケーキの味が広がり、「ブックデザイン 祖父江慎」の文字を見るだけで
さくらももこにシフォンケーキを手渡す紳士な祖父江さんが頭の中に表れるのだった。



そんな訳で
あたしの中で祖父江さんは「シフォンケーキの人」だったのだ。


あたしはほんの少し遅刻してしまったので*1
すでに授業が始まっていて、もう祖父江さんがお話を始めていた。
あたしの目の前にいたのはシフォンケーキを渡す紳士な祖父江さんではなく
キャピキャピの乙女おじさんだった。
無口で色のない紳士なおじさんっていうのはあたしが勝手に想像していた祖父江さんだ。
目の前にいる本物の祖父江さんはそれとは真逆の、見ぶり手振りが愛らしい、
ピンク色のタートルネックの似合う乙女おじさんだった。
「はらっっっっ*2!!!」
と声をあげてしばらく乙女なジェスチャーや口調に目と耳と…全身を奪われていた。



さて。
祖父江さんの乙女おじさんぶりもすてきだったけど
祖父江さんの授業もすてきだった。
あたしは本がすきな人間なのでブックデザインとイラストの繋がりと流れが
分かってすごく楽しかった。
連日の睡眠時間の短縮のツケがまわって途中何度も睡魔に襲われたけど
睡魔に負けそうになる度に祖父江さんの乙女しぐさによって打ち勝つ事ができた。
祖父江さんが乙女じゃなかったらきっとあたしは寝ておりましたよ、ふふー。


祖父江さんが
「いい絵とはコミュニケーションできる絵」だと、何回もおっしゃっていました。
本当に、何回も。
何回も言っていたけどしつこくなかったのは乙女なおかげでしょう。
ちゃんと覚えておこうと思う。
コミュニケーションできる、絵。

*1:まるちゃんも遅刻してしまった。席が後ろになったね。ごめんね。それにしてもあんなに人がいると思わなくってビックリしました。絵本と合同だってこと、すっかりわすれてたし。

*2:びっくりした時って「アラ?!」じゃなくって「ハラッッッ!」って声が出ると思う。